クレンジングバームはバターのような半固形状のメイク落としで、洗浄力はクレンジング剤のなかでも高めです。クレンジングバームはほかのクレンジング剤と違って、使い方にコツがあります。今回はクレンジングバームの正しい使い方や、アイテムを選ぶときのポイントについて解説します。
クレンジングバームは半固形のメイク落とし

クレンジングバームは、半固形またはシャーベット状のメイク落としです。ベースがオイルのため洗浄力は高め。液状のクレンジングオイルよりも肌に密着しやすいのがポイントです。
バターのようにテクスチャーが硬めのクレンジングバームは、ジャータイプの容器に入っているケースが大半です。ポンプタイプのクレンジングだと液だれすることもありますが、クレンジングバームは持ち運んでも液が漏れてくる心配が少ないでしょう。
クレンジングバームを使うメリットは?

クレンジングバームはメイクをしっかり落とせるだけでなく、肌への負担が少ないなど色々なメリットがあります。まだ使ったことがない人は、クレンジングバームの優れたポイントについてぜひ知っておいてください。
高い洗浄力で毛穴汚れや角栓をオフ
クレンジングバームは、オイルと並んで洗浄力が高いアイテムです。油分が多いため、しっかりめのメイクでもすっきりと落とせます。汚れを落とすパワーが強く、毛穴の黒ずみや角栓対策にもおすすめです。
バームは肌になじませるとオイル状に変化します。気になる小鼻にクレンジングバームをのせて指でやさしくクルクルすべらせると、肌に負担をかけずに余分な皮脂や角栓を取り除けますよ。
メイクによくなじむ
容器に入った状態では硬めの質感で「肌にのばしにくいのでは?」と思われがちですが、手に取るとやわらかくなって液状に変化します。オイルのようになることでメイクとよくなじみ、力を入れなくてもスルスルと落とせます。
クレンジングバームがメイクによくなじむのは、油分を多く含んでいるからです。メイクと同じ油性であるバームは、なめらかでとろけるような心地よい使用感が特徴です。
とろみがあって摩擦が少ない
手のひらで温めると固形からオイル状に変わるのがクレンジングバームの特性ですが、サラサラな液状にはなりません。とろみのあるオイルに変化するので、メイクを落とすときの摩擦を軽減して、肌に負担をかけずに洗浄できます。
冬は室温が低くてバームが硬くなるため、手にのせたバームをよく温めてやわらかくしてから使いましょう。
洗いあがりはしっとり
洗浄力の強いクレンジング剤を使うと、洗い流したときに肌の油分が奪われて乾燥しやすくなります。クレンジングバームには洗浄成分にプラスして保湿成分や美容成分が入っているので、うるおいをキープしながらしっかりメイクを落とせます。
クレンジング後に肌がつっぱるのは汚れと一緒に必要な油分や水分が逃げてしまっているのが原因ですが、クレンジングバームは肌がつっぱることも少なく、洗い流した後もしっとり感を保てるでしょう。
クレンジングバームの使い方5ステップ

クレンジングバームはオイルやクリームのメイク落としと違い、使い方にちょっとしたコツがあります。正しい使い方で、メイクをすっきり落としましょう!
- 手を濡らす前にバームを取る
- バームを手でゆるめてから顔にのせる
- しっかりメイクしてある部分からなじませていく
- バームを乳化させる
- 丁寧に洗い流す
①手を濡らす前にバームを取る
クレンジングバームは、乾いた手で容器から取るのが原則です。なかには濡れた手で取ってOKなアイテムもありますが、乾いた手で使うタイプの方が多いので、パッケージに書かれている使い方をよく読んでください。
濡れた手がダメな理由は、手に水分がついた状態でクレンジングバームに触ってしまうと、バームに水が混ざって本来の洗浄力を発揮しなくなるからです。すでに水と混ざってしまったバームでメイクを落とそうとしても、洗浄力が低下しているためきちんとオフできません。
面倒でなければ、お風呂に入る前にクレンジングを済ませておくといいでしょう。バームを容器から取るときは、指ではなくスパチュラを使ってください。
手が汚れているといけないので、クレンジング前に手を洗って清潔にすることも大切です。手を洗った後はタオルで水分をよく拭き取って、乾いた手でバームに触れるようにしましょう。
②バームを手でゆるめてから顔にのせる
クレンジングバームをスパチュラで手にのせた直後は、まだ固形に近い状態です。そのままだと顔にのばしにくいですし、力を入れることで摩擦が起きて肌に負担がかかります。バームを手のひらで温めながら、とろみのあるオイル状になるまで溶かしましょう。
バームをなじませる前に顔が濡れていると洗浄力が低下するので、顔は濡らさずに乾いたままでクレンジングをスタートさせてくださいね。
③しっかりメイクしてある部分からなじませていく
顔全体にクレンジングバームを広げたら、メイクが濃い目元や口元から順になじませていきましょう。バームをなじませるときは、指先でやさしく円を描くような感じで動かすのがコツです。
力を入れなくてもバームの洗浄力でメイクはきちんと落ちるので、とろみを指先で感じながらマッサージするようになじませてください。次に、小鼻やTゾーンといった顔の中心部から、外側に向かって洗い忘れのないようになじませます。
④バームを乳化させる
クレンジングバームでメイクをすっきり落とすためのポイントは「乳化」です。
ぬるま湯を手につけて、肌になじませたクレンジングバームに少しずつ足していきましょう。ぬるま湯をつけた手でクレンジングバームをくるくるとなじませる動作を何回か繰り返します。
クレンジングバームが白っぽくなったら、乳化したサインです。バームの油分は肌に残りやすいので、かならず乳化させてから洗い流すようにしてください。
乳化させずに洗い流すと、油分で水がはじかれてしまうのでメイク汚れがきちんと落ちなかったり、界面活性剤が肌にとどまって刺激になったりすることも。洗い流した後に肌がベタベタする人や、ヌルつきが気になる人は、乳化が不十分な可能性があります。
クレンジングに時間をかけると肌の乾燥を招くため、バームを肌にのせてから乳化させるまでの工程は1分〜1分半を目安に済ませましょう。
⑤丁寧に洗い流す
クレンジングバームが乳化したら、ぬるま湯でよく洗い流します。このとき、お湯の温度が熱すぎると肌の油分を過剰に奪ってしまうので気をつけてください。逆に冷たい水だと油分が固まってバームがきちんと落ちないため、ぬるま湯を使いましょう。
バームが肌に残らないように、ヌメりがなくなるまでしっかり洗い流してください。小鼻やフェイスライン、髪の生え際はとくに洗い残しやすいので、丁寧に洗ってくださいね。
メイク落としのあとは保湿ケアも忘れずに!肌の保湿にはシートマスクもおすすめです。
クレンジングバームでメイクを落とすときの注意点

クレンジングバームは、正しい使い方をすることで高い洗浄力が得られます。使い方を間違えるとメイクが十分に落ちなかったり、肌トラブルを起こしたりすることがあるので、以下のポイントに注意して使いましょう。
- 1日1~2回を目安に使う
- 塗るときは顔全体にムラなく広げる
- 容器に雑菌が入らないようにする
- 保管場所に気をつける
1日1~2回を目安に使う
クレンジングバームはオイルと同じくらい洗浄力が強いので、使うのは1日1~2回くらいがおすすめです。それ以上使うと肌の油分が奪われて、乾燥しやすくなります。
肌が弱い人は、1日1~2回の使用でも刺激になることがあります。クレンジングバームをつけたときに肌がヒリヒリしないか、観察してください。肌のコンディションが良くないときは使うのを避けて、週に1~2回のペースで少しずつ慣らしていきましょう。
クレンジングによるかぶれについては、こちらで解説しています。
塗るときは顔全体にムラなく広げる
クレンジングバームは、顔全体によく広げるようにしてなじませましょう。バームがついていない部分があると、メイクがきちんと落ちません。洗面台やお風呂の鏡を使って、洗い残しがないかチェックしましょう。
容器に雑菌が入らないようにする
クレンジングバームの容器に指を直接入れてしまうと、雑菌や水分が入り込んでバームの品質が変わってしまいます。バームを取り出すときはスパチュラを使って、容器内のバームを清潔に保ちましょう。
スパチュラを使う場合も、なるべく1回で必要な分量のバームを取り出すようにしてください。スパチュラが肌に触れたときに、そこから雑菌がついてしまうからです。
使用後のスパチュラは、バームがついたまま保管するのではなく、よく洗ってティッシュで拭いてから片づけましょう。
保管場所に気をつける
お風呂でメイク落としをする人は浴室にクレンジング剤を置きがちですが、クレンジングバームをお風呂で保管するのはおすすめできません。湿気でカビが生えやすくなりますし、浴室が高温になることでバームが溶け出す可能性もあります。
クレンジングバームの容器は、温度変化や湿気が少ない室内で保管しましょう。
クレンジングバームの洗浄力はオイルより強い?
油性のクレンジングは洗浄力が強めです。クレンジングオイルはメイク落としのなかでも洗浄力が高いことで知られていますが、クレンジングバームも油性なので、オイルと同じくらいの洗浄力が期待できます。
クレンジングバームより洗浄力は弱めですが、ジェルタイプで油性のクレンジングは、水性のクレンジングジェルよりも高いメイク落とし効果があります。
クレンジングバームの後はダブル洗顔が必要?
クレンジングの後は洗顔料を使ってダブル洗顔するという人も多いと思いますが、クレンジングバームにはダブル洗顔しなくてOKの製品もあります。忙しくてクレンジング+洗顔をする時間がもったいない人や、ダブル洗顔すると肌が乾燥してしまう人は、ダブル洗顔不要なクレンジングバームを選ぶといいでしょう。
ダブル洗顔しないことで、摩擦が少なくなって肌への負担を減らせます。
クレンジングバームはどんな人に向いている?
クレンジングバームは、脂性肌から乾燥肌まで幅広く対応しています。皮脂や汚れをしっかり落とせるので、Tゾーンのテカリが気になる脂性肌・混合肌の人には特に向いているでしょう。
また、保湿成分が入っているクレンジングバームを使えば、乾燥肌の人でもうるおいをキープしながらメイク落としができます。高い洗浄力で毛穴の黒ずみや角栓を取り除いてくれるので、毛穴で悩んでいる人にもぴったりです。
クレンジングバームを選ぶときのポイント

クレンジングは毎日使うものなので、使い心地や成分にこだわってアイテムを選びましょう。クレンジングバームを選ぶときの注目ポイントについて、お伝えします。
とろけて肌になじみやすいもの
バームが固いと、顔にのせてもダマになってメイクとうまくなじみません。無理にのばそうとすると摩擦で肌が傷ついてしまうので、クレンジングバームは手にのせたときにやわらかくとろけるタイプを選びましょう。
店頭にテスターが出ていたら、自分の手にのせて指でくるくるしてみてください。肌なじみのいいクレンジングバームは、すぐにやわらかくなってのばしやすい状態になりますよ!
成分にこだわる
クレンジングバームには、美容成分が入ったものや保湿成分が配合されたものなど、いろいろな種類があります。成分が肌に合うかどうかは人それぞれですので、実際に試してみて自分に合ったクレンジングバームを見つけてください。
敏感肌・乾燥肌の人には、肌に刺激を与える成分が少ない低刺激のアイテムや、保湿成分がたくさん入ったアイテムがおすすめです。
使いやすいおすすめのクレンジングバーム6選
【DUO】ザ クレンジングバーム ブラックリペア
1つでクレンジング・洗顔フォーム・角質ケア・マッサージケア・トリートメントの5役を果たすクレンジングバームです。2種の炭である「ブラックパウダー」と「活性炭」が毛穴汚れや皮脂を吸着するので、特に毛穴の黒ずみや皮脂が気になる人におすすめです。
さらに肌のザラつき対策として、6種の発酵エキスを配合。肌表面をやわらかくして角栓を溶かし、発酵美容成分でうるおいのあるなめらかな肌へ導きます。ダブル洗顔不要で、肌にやさしい処方です。
アンドハニー クレンジングバーム モイスト
ハニーモイスト成分が配合され、肌のしっとり感をキープしながらメイクを落とせるクレンジングバームです。保湿成分と3種のハチミツが乾燥した肌をうるおします。成分の90%以上が、保湿成分と整肌成分で構成されています。
メイク落とし・角質ケア・保湿ケア・マッサージ・洗顔の5機能がこれ1つでOK。肌になじませるとスイートハニーの甘い香りに包み込まれ、ハチミツのようなトロトロのテクスチャーで肌をうるおしながらメイクを落とします。
バニラコ クリーンイットゼロクレンジングバーム オリジナル
シャーベットバームタイプのクレンジングです。パパイヤ成分が配合されたバームを肌になじませれば、毛穴の奥にある汚れまで落とせます。肌にやさしい低刺激ですが、濃いメイクまでしっかりオフ。
ほんのりとしたアセロラの香りで、洗いあがりはさっぱりとしています。ダブル洗顔しなくてOKなのもうれしいポイントです。
パーフェクトワン スムースクレンジングバーム
メルティタッチオイルで、手にのせるとすぐに液状に変化するクレンジングバームです。スパチュラがいらないほどやわらかいバームが、毛穴の黒ずみやメイク汚れをすっきり落とします。これ1品でメイク落とし・洗顔・毛穴ケア・角質ケア・保湿・マッサージの6役をこなせるアイテムです。
28種類の保湿成分とビタミンC誘導体を配合。ウォータープルーフのメイクもしっかり落とせるのに、洗いあがりは肌がつっぱらずしっとりです。ベルガモットとオレンジ精油の爽やかな香りが気分をリフレッシュさせてくれるでしょう。
【伊勢半】ツインバーム シャリとろ
質感の異なる2層のバームを混ぜて使うクレンジングバームです。スクラブが配合されている「シャリ層」と、やわらかい感触の「とろ層」をお好みの比率で混ぜ合わせます。
小鼻などの毛穴が気になる部分は「シャリ層」でしっかり洗浄して、目元などのやさしく洗いたい部分には「とろ層」を使うといった使い分けもできます。ウォータープルーフのメイクでもつるんと落とせて、洗いあがりはしっとりです。
アンレーベルラボVクレンジングバーム
なめらかなバームが肌になじんで毛穴の汚れをオフ。水深1万メートル相当の圧力を加えて抽出されたビタミンC誘導体配合で、メイクをしっかり落としながら保湿成分が肌にうるおいを与えます。
とろけるようなバームのつけ心地と、ほのかに香る柑橘系の香りが特長です。
クレンジングバームの使い方をマスターして美肌を目指そう
クレンジングバームはメイク落としのなかでも洗浄力が高く、ウォータープルーフのメイクでもスッとなじんで落とせます。保湿成分が配合されたクレンジングバームなら、肌がつっぱるのを防いでしっとりした洗いあがりが期待できるでしょう。
正しい使い方や選び方のポイントを押さえて、クレンジングバームでメイクをすっきりオフしましょう。